《何屋/概要》
市場にある定食屋さん。札幌の市内中心部に位置し、観光客からの認知度も高い二条市場の一角に店を構える。魚屋に併設されており、新鮮な魚介を使った海鮮丼や、オーダー後にじっくり焼き上げる焼き魚定食を提供している。観光客には豪華な海鮮丼が人気だが、地元客や食通の間では焼き魚定食が特に支持されている。
《最寄駅》
札幌市営地下鉄「大通駅」が最寄り駅。駅からは徒歩圏内。

《外観・店内》

お店の外観は、間口はそれほど広くなく、入口には紺色の暖簾がかかっているのが見える。店先には手書きのメニュー看板や、持ち帰り用の魚介が並べられた発泡スチロールの箱が置かれ、活気ある市場の雰囲気を感じさせる。
周囲には他の鮮魚店や土産物店が軒を連ね、札幌二条市場らしい昔ながらの市場の建物の風情を色濃く残している。市場の建物自体は歴史を感じさせる風情があるものの、観光地化が進んでおり、地元の人が日常的に買い物に来るような雰囲気は薄い。
店内はコの字型のカウンター席のみで、客同士が肩を寄せ合うような、アットホームながらもかなり手狭な空間となっている。カウンターに囲まれた正面には焼き台があり、次々と魚が乗せられ、熟練の職人さんの手によって焼き加減を見極めながら丁寧に焼き上げられていく様子を間近で見ることができる。
《メニュー/注文方法》

メニューは、壁に掲示された大きなポスターや手書きの看板に分かりやすく表示されている。海鮮丼は「北海丼」「いくら・うに・いくら丼」「親子丼」など種類が豊富で彩りも鮮やか。焼き魚定食は「時鮭定食」「つぼ鯛定食」「銀ダラ定食」などが用意されている。店員さんに北海道産でおすすめを尋ねると、「つぼ鯛か時鮭」と教えていただいた。
ホッケも真ホッケなので、北海道産です。

注文は口頭で店員に伝え、焼き魚はオーダーが入ってから丁寧に焼き始めるため、提供までには20分程度の時間を要する。

《注文商品》

通常とは異なる時期(旬を外れて)に獲れる鮭「時鮭(ときしらず)」を使用した定食。この時期外れの鮭は、その分たっぷりと脂が乗り、独特の旨味を持つことで知られている。


香ばしく焼き上げられた肉厚な鮭の切り身。箸で持ち上げると脂がポタポタと垂れる。
炊きたてのご飯、温かい味噌汁、そして漬物が添えられた、シンプルながらも満足感の高い一品。
職人さんの手で丁寧に焼き上げられた朝からの超贅沢な焼き魚の定食。せっかくの北海道。せっかくの札幌。朝から大奮発‼︎
《入店時状況》
平日の朝7時28分に列に並び始めた。向かいに位置する海鮮丼の人気店「大磯」には、さらに多くの観光客が長蛇の列を成しており、この店の客層との違いが際立っていた。今回は一人だったため、人数調整のためか比較的早く店内に入ることができたが、3人以上での来店はあまりおすすめできない。注文から提供、そして食べ始めるまでには約20分を要し、8時12分には食事を開始できた。この店に並ぶ客は、焼き魚目当ての、まさに“食通”や“地元を知る”客が多い印象を受けた。
《備考》
- 全ての価格は消費税込み表示。
- ご飯の大盛りは追加100円で可能。
- 店内で提供されている魚介類の一部は地方発送も対応しており、土産物としても利用できる。
- 過去には人気アイドルグループ乃木坂46のメンバーが来店し、テレビで紹介された実績があり、それを記念した「乃木坂セット」(3,500円)という特別メニューも提供されている。
- メニューには北海道産以外の魚介類も含まれる場合があり、例えば人気のサーモンハラスは外国産とのこと。せっかく北海道に来たからには、北海道産にこだわって食事をしたいという思いがあり、サーモンやホッケといったイメージだけで注文してしまうと「それって東京でも食べられるじゃん?」と感じてしまうため、今回は希少な北海道産の時鮭を選択した。食べ終えて店を出る頃には、時鮭定食は品切れになっており、早起きして正解だったと感じた。
- 二条市場の歴史: 札幌二条市場は、明治初期に石狩浜の漁師たちがこの場所で魚を売り始めたのが起源とされる、札幌市内で最も古い歴史を持つ市場の一つである。かつては「魚河岸(うおがし)」とも呼ばれ、札幌市民の台所として栄えてきたが、現在では市内中心部に位置する利便性から、観光地としての認知が非常に強い。新鮮な海産物や農産物を扱う店が軒を連ね、国内外からの多くの観光客で賑わう活気あるスポットとして親しまれている。