《何屋/概要》
みやざき地頭鶏の専門店。
完全予約制のコース一本で、卓上の七輪で自ら焼いていただくスタイルである。みやざき地頭鶏は、国の天然記念物「地頭鶏」を原種に宮崎県が開発したブランド地鶏。平飼いで、オスは約120日、メスは約150日とじっくり育てられる。旨みの濃さと適度な歯ごたえが持ち味である。使う炭は、ご主人が自家生産するこだわりの竹炭だ。
宮崎で炭火焼きを食べるとき、厨房で炎が上がる光景はよく目にする。しかしこの店は違う。炎が上がるのは、目の前のテーブルの上である。
《最寄駅》
最寄駅と呼べる駅はなく、車での訪問が前提となる。日南市の海岸線道路から山間へ車で数分入った場所にある。飲酒する場合はタクシーか運転代行を手配しておきたい。
《外観・店内》
木々に囲まれた古民家風の一軒家。赤瓦の屋根に、店名を刻んだ朱色の柱が目印である。飛び石が続くアプローチを抜けて入店する。テーブルには七輪の焼き台が据えられ、席に着けばすぐ目の前で炭火が赤く熾っている。


《メニュー/注文方法》
コースのみで、事前予約が必須。単品で気軽に立ち寄る店ではない。
《注文商品》
コースの内容は以下の通り。
・みやざき地頭鶏タタキ(むね)
・みやざき地頭鶏レバー刺身
・みやざき地頭鶏もも焼き
・みやざき地頭鶏せせり焼き
・イベリコ豚肩ロース焼き
・野菜盛(こんにゃく・人参・蓮根・玉葱・キャベツ)
・丸ごとピーマン
・みやざき地頭鶏ウインナー
・おにぎり
最初に運ばれるタタキは、青い大皿が見えなくなるほどのネギの山。箸で掘り進めると、下から胸肉のタタキが現れる。ネギと生姜をたっぷりのせて口へ運ぶと、甘酸っぱいタレが淡白な胸肉によく合い、一品目にふさわしい爽やかさである。


続くレバー刺しは、細長い白皿に並べて供される。塩と胡麻油で下味が付いており、何もつけずにそのままいただく。舌の上でとろけるような食感で、噛むほどに濃厚な旨味が広がる。

主役のもも焼きは、焼く前の身の断面にまず驚かされる。角が立つほど弾力があり、鮮度の良さがひと目で分かる。網に乗せると、ご主人が竹筒で炭に息を吹き込む。炭はご主人が自家生産するこだわりの竹炭だそうで、その高火力が一気に肉を焼き上げる。落ちた脂が炎となって網の上へ立ち上がり、顔に熱を感じるほどの近さで、炎をまとった肉が焼き上がっていく。厨房の炎を遠くから眺めるのではなく、自分の目の前で炎を浴びながら食べる。卓上の七輪で、目の前にこれほど豪快な炎が上がる店は、ここを置いて他にはないだろう。


野菜も手を抜かない。特にピーマンは丸ごと網に乗せ、表面に焼き目を付けながら、内側は自らの水分で蒸し焼きにする。焼き上がりに特製ダレを中へ注ぐと、熱々で瑞々しい一品になる。イベリコ豚の肩ロースも炭火との相性が良く、地鶏の合間の一皿として楽しめた。

せせりは小さめに切り分けられ、網の上でぷりぷりと縮んでいく。肉厚で、独特の弾力がある希少部位である。

イベリコ豚の肩ロースも炭火との相性が良く、地鶏の合間の一皿として楽しめた。
〆のおにぎりは、七輪と特製ダレがある以上、焼きおにぎりにする以外の選択肢はない。
《入店時状況》
平日の18時に予約して訪問。夏場はこの時間でもまだ明るいが、食事を終える頃には辺り一面が漆黒の闇に包まれる。以前、冬に同じくらいの時間に利用した際は、到着時点で周囲は真っ暗だった。店にたどり着くだけでも運転技術が要る。おそらく一日に訪れる客は数組程度と思われ、予約は必須である。この日は我々のほかに2組が利用していた。
《備考》
・店内は携帯電話の電波が圏外となる。食事中にスマホが手放せない人には向かない。
・その代わり、強制的なデジタルデトックスの時間になる。宮崎の大自然と一体になれることこそ、最高の贅沢なひとときである。
・食べログ百名店に選ばれている。
・飲酒の場合は運転代行かタクシーが必須。
【店舗情報】
店名:炭火焼 山空
住所:宮崎県日南市大字風田2693
電話:0987-23-7345
参考URL:https://tabelog.com/miyazaki/A4502/A450201/45009069/